Unaccompanied minorsってどういう子どもたち?
移民のことをお話するときにunaccompanied minors (UAMs)という言葉をよく耳にします。Unaccompanied minorsとは、色々な理由で自分の国を離れなければならない人のうち、両親や親せきなど保護者となる大人がいない状態で、目的の国まで移動したり、目的の国で生活している子どもたちのことです。
ヨーロッパには何人くらいいるの?
2021年の一年間で約24,000人の移民の子どもたちがヨーロッパ(ブルガリア、ギリシャ、イタリア、キプロス、マルタ、スペイン)に着いたと言われています。
そのうち、71%にあたる17,200人の子どもたちが、保護者となる人がいない状態で生活していると推定されています。
10人に7人・・・。こんなにたくさんの子どもが親と離れて一人で他の国に向かうって大変そう。
彼らはどこの国からどうやって来ているの?
彼らの出身国は以下の国からが多くなっています。
・アフリカ(チュニジア、アルジェリア、コートジボワール、エリトリア、ギニアなど)
・アフガニスタン
・バングラデシュ
・シリア
彼らは、徒歩や車、ボート、船などを組み合わせて移動しています。
どういう病気で困っているの?
移動中の生活環境はけっして良い状態とは言えません。シャワーを浴びたり、安全で清潔な場所で寝たり、十分な食事をとったりすることが難しいことが多いです。そのため、一番問題となるのは、
・下痢
・皮膚の病気
などです。また、
・結核
・肝炎
・マラリア
などの感染症も多くみられます。
彼らの多くが自分の国で紛争・貧困など厳しい生活をしていたことが多く、また保護者なしで長距離を移動する間に暴力や犯罪などに巻き込まれることもあります。それがPTSD(心的外傷後ストレス障害)や不安症などの心の問題につながることがとても多くなっています。
怖い思いも沢山してるだろうな・・・
彼らは病気になったら病院に行けるの?
ヨーロッパの国それぞれで違いはありますが、多くの国で、制度上、基本的な医療にはかかれることとなっています。
でも、実際は医療を受けることが難しいことが多いです。その理由として、
・情報の不足(そういった制度があることを知らない、どこに病院があるのかわからない)
・コミュニケーションが取れない(その国の言葉がわからず、病院も通訳のサービスを提供していない)
などが挙げられます。
知らない国で病院を探して医療を受けるのって大変そう
参考文献
– Refugee and Migrant Children in Europe Accompanied, Unaccompanied and Separated. Overview of Trends January to December 2021. UNHCR, UNICEF, and IOM.
– Health of refugee and migrant children. Copenhagen: WHO Regional Office for Europe; 2018 (Technical guidance on refugee and migrant health).
– MOCHA consortium, European Commission. Models of Child Health Appraised (A study of primary healthcare in 30 European countries). Migrant children in Europe: entitlements to Health care. 31st August 2016.