性暴力って具体的に言うとどういうこと？
性暴力とは、身体的、心理的な危害をもたらすあらゆる性的行為または脅迫を指します。
性暴力には以下のような行為が含まれます。
- 強姦
- 性的虐待/児童性的虐待
- 強制ソドミー/アナルレイプ
- 性的搾取
- 強制売春
- セクハラ
- 戦争や拷問の時の武器としての性暴力
戦争中、女性や少女はレイプ、強制結婚、性的搾取、人身売買などの性的虐待を受けるリスクが高くなります。
ただ、被害者は女性や少女だけに限りません。男性や少年も、特に拘留中や尋問の際に性的虐待の標的になります。
性的虐待が戦争の戦術として使われることはよく知られています。
例えば、レイプ、性的拷問、身体切断は、道徳観を崩壊させ、家族やコミュニティを破壊し、また民族構造を変えるために意図的に行われることがあります。
悲しいことに、こうした行為は過去の戦争に限らず、現在でも認めることがあります。
2023年、ロシア軍によるウクライナ人女性へのレイプと性暴力が国連によって報告されています。
また、2024年、国連はイスラエル軍によるパレスチナ人女性と少女への人権侵害について強い懸念を報告しました。
性暴力に関する報告書には以下のような行為が含まれています。
- イスラエル軍の男性将校に裸にされ、身体検査を受ける;
- 拘留中に強姦されたり、性暴力の脅迫を受ける。
さらに、刑務所内でイスラエル兵がパレスチナ人男性に性的拷問を行ったということも報告されています。
性暴力を戦争の道具として使うなんて信じられない。本当にひどいことだね……
国際法では性暴力をどのように扱っているの?
ジュネーブ条約、国際人道法、国際刑事裁判所のローマ規程など、性暴力についてはいくつもの国際法が扱っています。
1998年の国際刑事裁判所（ICC）のローマ規程では、性暴力（強姦、性的奴隷、強制売春、強制妊娠、強制不妊手術、または同等の重大性を持つその他のあらゆる形態の性暴力）は「人道に対する罪」と定義されており、戦争犯罪のリストに含まれています。
また、国際人道法 （IHL）では、国際的・非国際的な武力紛争における強姦やその他の性暴力は人道法の重大な違反とみなしています。
そういった行為が行われた場合は、すべての国は加害者を訴追する義務があります。
戦争時であっても、私たちは人道法を尊重して、やってはいけない行為をきちんと制御しないとダメよね
性暴力は被害者の健康にどのような影響を与えるの?
性暴力の被害者は、身体、精神、生殖、行動上の多くの問題を抱えるようになります。
主な症状は下図に示されていますが、影響はこれらに限定されるものではありません。
身体的暴力により、女性は男性と比べても、身体的な傷害を負うリスクがはるかに高いです。
また、虐待を受けたことがある女性は、他の女性よりも慢性的な身体的問題（頭痛、腹痛および骨盤の痛み、胃腸障害など）を訴えることが多くなります。
幼少期の性的虐待は、不安や恐怖、抑うつ, PTSDなどの心理的問題や、成長してからのアルコール・タバコ・薬物などの乱用、虐待的なパートナーを選んでしまう傾向をもつことなどの行動上の問題が指摘されています。
また、そういった子どもたちはしばしば無価値感をもち、自尊心を維持するのが困難な状況に陥ることがあります。
虐待を受けた子どもたちは、人への信頼感を失い、自分を責める傾向を持ちます。
また、他者との距離感を上手く取れずに、他者からの関心を引こうとし過ぎたりして、周囲の人との関係が不安定になりがちです。
自分自身への否定的な感情、恥や怒り、屈辱といった感情、また周囲との不安定な関係性などを経験することで、自分への評価が低下し、低い自尊心につながります。
性暴力は、被害者にとって短期的な健康問題だけではなく、生涯にわたる影響を及ぼすのね。早く性暴力のない世界にしないといけないね！
参考文献
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