人為的飢饉：国際人道法と健康問題

人為的飢饉って何？

まず、「飢饉ききん」の定義を確認しましょう。
飢饉とは、食料不足により人々が栄養失調や飢うえによる死亡のリスクに直面する状況をさし、以下３つの条件が特定の地域において起きることです。

少なくとも 20% の世帯が極度の飢えに直面。
子どもの 30% が衰弱すいじゃく状態または痩やせすぎ。
死亡率が、毎日成人で 10 万人あたり 2 人、子どもで 10 万人あたり 4 人に達する。

飢饉の原因の一つとして挙げられるのが、戦争中に誰かが意図的に他者への食料配給しょくりょうはいきゅうを停止することで、この状況を人為的飢饉じんいてきききんと呼びます。

歴史的には、人為的飢饉は1932～1933年にウクライナで起こっています。一般的にホロドモールと呼ばれるこの飢饉は、ソ連時代、スターリン政権が計画したもので、数百万人が亡くなりました。

意図的な食料配給の妨害ぼうがいは、現在、ガザ地区でも起こっています。
イスラエルとハマスの戦争により、ガザ地区に住む人々への食料や人道支援物資の配給が妨害されています。

総合的食料安全保障レベル分類（IPC）の飢餓検討委員会（FRC）によると、2024年3月にはガザ地区の人口の95％にあたる213万人の食料状態が壊滅的、緊急事態、または危機的であり、2024年6月までに全人口が飢餓きがに苦しむことになると予想されています。

うーん、わざと食料の配給を止めるなんて、人間って残酷ざんこくなことをするんだな。
猫はそんな意地悪なことしないよ。

食料供給と人為的な飢饉に関して、国際的なきまりは何て言っているの?

食に関する権利は、私たち一人一人がもっている基本的な権利の一つで、『世界人権宣言』、『経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約こくさいきやく』、『子どもの権利に関する条約』など、いくつもの国際法によって言及されています。

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約では、締約国ていやくこくへ以下の点を守るように求めています。

(1) 十分な食料を含む十分な生活水準の権利を認める。

(2) 飢えから解放される基本的権利を認める。

(3) 世界の食料供給の公平な分配を確保する。

締約国は、これらを守る法的義務を持っています。

戦争中に関しては、国際人道法（IHL）が民間人や捕虜ほりょに対する食料や水へのアクセスを保護するよう定めています。
民間人の飢餓を意図的に行うことはIHLで禁止されており、その違反いはんは戦争犯罪とみなされます。

国が国際的な決まり事を無視し始めると、世界はバランスを失って、紛争ふんそうと混乱こんらんだけが残るよね。
そんな状況は絶対避けるべきで、そのためにも、みんながモラルを持って、人道法を尊重そんちょうし、平和と秩序を保っていかないといけないよね。

飢餓だと私たちの体に何が起こるの？

飢餓は、タンパク質エネルギー栄養不足 (PEU) の 1 つです。

PEU の症状はさまざまで、栄養不足の重症度 (軽度、中等度、重度)、進行速度 (急性、慢性)、年齢 (小児、成人) によって異なります。

飢餓では、すべての栄養素が欠乏し、急性かつ重篤じゅうとくな状況になります。
主な症状は次のとおりです。

体重減少
脂肪と筋肉の衰え
バイタルサインの異常: 低血圧、脈拍低下、呼吸数低下、低体温
たるんで薄い皮膚
浮き上がった肋骨や顔の骨
疲労感や脱力感
傷の治癒ちゆに時間がかかる
成長の遅れ
イライラや不安

このような状況に特に弱いのが子どもたちで、身体的にも精神的にも大きな影響を認めます。

例えば、発育不全は、子どもの精神発達の遅れや行動異常に大きく関係して、成長後も長期間に及んで影響を与えることがあります。

ただ、一部の研究では、飢餓による発育不全を経験しても、早期に回復した子どもは認知レベルが向上し、正常発達の子どものレベルまでキャッチアップが上手くいく可能性があることが示されています。

特に子供達にとって、飢餓は絶対に避けるべきこと☝️ でも、もしそうなってしまったら、子供達ができるだけ早く回復できるようにしてあげないといけないね。そうすれば、子供達の心や体への長期的な問題を防ぐことができるかもしれないもんね。

References
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